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202109/29
学習のプロセス「情報を受け取らせる」

【学習のプロセスとは】
 

人は何かを学ぼうとしたり表現しようとしたりするときに、まず情報を得ます。
文章を読んだり画像を見たり、物や生物・人を観察したりすることによって、何が書いてあるのか、どんな様子なのかといった情報を得るのです。

次に、それに関連する情報を記憶から取り出します。
脳の中の作業テーブルのような場に、関連する情報を並べて思考を組み立てます。

既に出来上がっている事柄を、積み木やパズルのように組み立てることもあれば、自分なりの考えを作り上げることもあります。

考えを作り上げることができれば、それは「理解した」ことになります。

そして最後に、それを言葉や文章、絵や図などで表現していきます。
表現するまでに理解できていれば、それは記憶に残っていきますし、こういったプロセスを通して能力が培われていくのです。

ところが、この過程の中で、困難さを抱えるために戸惑う子どもたちもいます。
もちろん、大人であっても同様です。

その困難さを見極め、支援をしていくことが学校教育に求められています。
主な支援者は学校かもしれませんが、保護者とも理解し合い協力し合って支援ができればいいと思います。
 
 

【情報を受け取らせるための支援】
 
子どもたちと授業をするとき、私たちは第一に子どもへの情報提供の仕方が適切であるのかどうかを考えなければなりません。
明瞭な言い方、イメージを掴みやすい表現で話しているのかどうか、必要な画像などによる補足を行なっているのかどうかを、チェックしていきましょう。

子どもの中には、耳からだけ、あるいは目からだけの情報では、理解しにくい子どもがいます。
子ども一人一人の個性や特性を把握しておく必要もあります。
そして、クラスの実態に応じて、絵・図・動画などでの支援を適宜行なっていってください。

また、情報の難易度についても考えましょう。
クラスの力量というのは、同じ学年であっても異なります。
習熟度別クラスを展開しているかどうかにかかわらず、クラスとしての能力には違いがあるのです。

子どもたちを観察しながら、難易度を上げたり、逆に言葉を噛み砕いて理解しやすいように表現したりという工夫が必要になります。

極端な話ですが、カリスマと呼ばれるような教師が授業の原稿を考えたものを、丸暗記して授業に備えたとしても大きな成果は期待できません。
もちろん先輩から学ぶこと、真似できることをしていくことは大切ですが、本を読むように授業をしても何も伝えられないのです。

言葉は生き物です。
教師がその瞬間に、これを伝えようとして生きた言葉で表現していきましょう。その生き生きとした魅力ある表現から、子どもたちは何かを受け取ろうとするからです。

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