子どもたちと生活をしていると、友達同士のトラブルは避けられません。
しかし、思いがぶつかればトラブルは起きるものなので、トラブル自体を悪いものだと考えることはないのです。
喧嘩をしたあとに仲直りをすることも、立派な関わり方の勉強なのです。
むしろ、仲直りの方法を身に付けないまま大人になることの方が問題です。
子どもたちがトラブルの解決の仕方を身につけていけるよう、しっかりと支援していきましょう。
これは、ソーシャルスキル(人と良好な関係を築き、それを維持していくためのコツ)のひとつです。
さて、子どもたちがトラブルを起こしたときには、教師は保護者からの苦情を避けるためにも、熱心に聞き取りを行います。
そして、互いの遺恨を残さないように、説得したり謝らせたりします。
いい加減な対応をしたことが原因で、泣きながら帰宅するようなことがあってはなりません。
保護者と信頼関係を築くのも教師にとっては大事な仕事ですし、保護者との関係が崩れると子どもとの関係にも響きます。
ただ、高学年になるに従って、子どもたちの気持ちにも変化があることを知っておいてほしいと思います。
あるとき、別のクラスの高学年の子どもたちが私に訴えてきたことがあります。
「先生が根掘り葉掘り聞くから、トラブルがもっとこじれるんだよね」…。そういうこともあるのかと思いました。
彼らが言うには、教師がしつこく聞くから、言わなくてもいいことまで言う羽目になる。
それによって、お互いの気分が悪くなるというものでした。
子どもを信頼し、子ども同士の話し合いで解決できるように支援していけるといいのだろうと、自分の振る舞い方も反省した出来事でした。
そうはいっても、トラブルによっては、どうしても教師が叱ることも必要になります。
命に関わるようなこと、怪我に関することが起きた場合には、厳しい対応も大切です。
その際に気をつけてほしいのは、叱り方に公平さと一貫性をもたせるということです。
どちらかを贔屓目に見たり、前回は叱らなかったのに今回は叱ったりというような(繰り返し行なった場合にはあることですが)、周囲の子どもたちから見て変だと思うような対応は避けなければなりません。
それから、教師の気分によって、叱ったり叱らなかったりということがないようにすることも大切です。