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202109/11
若い先生たちに伝えたいこと 6「子どもの声に耳を傾けよう」

子どもとの信頼関係を築くために、自分の思いを伝えるだけではなく、子ども一人一人の思いにしっかりと耳を傾けていきましょう。
子どもたちの心の中には、自分の話を聞いてほしいという強い欲求があります。
もちろん、この人は聞いてくれそうだなと判断したときに、話したい気持ちがムズムズするように感じます。

ただ、今は聞いている余裕がないと思うときには、「これから授業の準備をするから、次の休み時間になったら話してね」とか、「○○さんとの話が終わってから聞かせてね」とはっきり伝えましょう。
横入りして話してしまう子どもにも、「□□さんの方が先に話していたから、順番を待とうね」と言い聞かせます。
これは、人と関わる際の基本的なルールやマナーですから、はっきりと言い切った方がいいと思います。

また、一日の中で30人を超える子どもたち全員の話を聞く時間を取るのは、とても難しいものです。
その代わりになるものとして、一行日記を書かせることをお勧めします。
もちろん、数行でもかまいません。書く方も読む方も負担にならない長さであった方が、続けやすいからです。

始める前に、日記の中には伝えたいこと、知っておいてほしいことなどを書いてもいいと説明しておいてください。
それによって、子どもは安心して心の中身を吐き出せるようになります。
中には「○○さんと児童館で遊びました」といったことだけを繰り返し書いてくる子どもがいるかもしれませんが、友達関係を把握するきっかけにもなるので、思いを書くようにと強要することはありません。

返事は、「ちょっと残念だったね」、「またやれるといいね」のような短いものでも大丈夫です。
続けることが大切ですし、もし短いコメントしか書けなくて心苦しいときには、その理由も話しておくといいでしょう。
子どもたちは、教師が全ての子どもに返事を書く時間的余裕が少ないことを理解してくれます。

私の受け持った子どもの中には、日記でしか思いを伝えてこなかった子どももいます。
恥ずかしくて、自分の思いを声では伝えきれなかったのだろうと思います。
卒業のときには手紙をくれましたが、やはり面と向かっては何も言ってくれませんでした。
私はそのとき、日記を続けてきてよかったと思いました。
文字でのやり取りがなかったら、きっとその子どもの気持ちを理解するチャンスはなかったと思うからです。

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