「読み聞かせをしてもらったり、本を読んだりすれば、文章力が高まるのではないか」という質問を受けました。
それも有効だと思います。
しかし、読み聞かせをたくさんしてもらっているから、即座に文章を書くのが得意になるということではありません。
知っている言葉の数が豊かになり、言葉の使い回しの仕方を知ったり、文章の形を覚えたりすることはできるのですが、子ども自身が文章を筋道立ててわかりやすく書くという段階に至るには、それなりの経験と時間がかかることを覚えておいてほしいと思います。
焦ることは禁物です。
読み聞かせは教師や図書館司書が行うこともありますが、保護者が行なってくれることも多いと思います。
即時的な効果はなくても、読み聞かせはぜひ続けてほしいと思います。
ところで、私は読み聞かせ以外にも、親子の会話が大切だと思っています。
以前担任した子どもは語彙が少なく、様々な面で幼さが残っていました。
お母さんに家でどのような会話をしているのかと質問したところ、会話らしい会話がないというのです。
お父さんは帰宅するとテレビの前にテーブルを置き、黙々と食事をするだけで、子どもに「今日はどうだった」と聞くことさえしないと嘆いていました。
この例は極端ですが、似たようなことは増えてきているのではないかと感じます。
お笑いのテレビは見るけれど社会で起きたことには無関心である家庭、それぞれがゲームをしたり動画配信サイトを見たりしているだけで、共通の話題が少ない家庭があることを危惧しています。