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202109/23
授業について「授業をする目的」

私たち教師が子どもたちに対して授業を行い、学習によって能力を身に付けさせようとするとき、何をねらっているのでしょうか。
高校や大学の受験に合格させて、自分の夢を叶えることができるように手助けしているのでしょうか。
もちろん、彼らの夢に寄り添うことも、授業のひとつの目的です。
しかし、受験のために瑣末的な知識を詰め込んだり、丸暗記させたりすることだけではありません。

私たちがたとえ小学生の年代の子どもにしか関われないとしても、授業を通して学ばせていくことは、人生を豊かにすることに繋がるのだということを意識してほしいと思うのです。
子どもが20〜30年後に、小学生のころに教えられたことを取り出して役立てることができないとすれば、意味をなさないのです。
大人になったときに、教師の言った何かが浮かび上がってくるようでなければならないのです。

以前、私が高学年を担任したとき、私の発する一言一言に反発する男の子がいました。
きっと、私の本意を理解しきれなかったのでしょう。
しかし数年後、彼との思わぬ再会で苦労が報われました。

母親の運転する車の助手席に乗っていた彼は、私を見つけるとわざわざ車を降り、「あのころ先生の言っていたことは本当だったよ」と呟いたのです。
その短いやりとりだけでしたが、私の心が温かくなったのはいうまでもありません。

それからもうひとつの目的として、授業は子どもの自己肯定感を高めるために行っているということを忘れないでください。
授業を通して子どもたちが、「自分もやればできる」「自分もまんざらではない」という思いをもち、自信を身につけていけるよう仕向けていってほしいのです。

そして授業中で、「あ、そうか!」とか、「明日もこの続きやるよね?」といった呟きが聞こえ、満面の笑顔を見ることができたら、ぜひ自分自身を褒めてください。
努力して行った準備や授業が、子どもに役立ったということを誇らしく思ってください。

毎日が単調であるかのように思えたとしても、子どもにとってはかけがえのない学びの日々なのです。

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