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202109/15
若い先生たちに伝えたいこと 10「子どもの手本となるような関わり方を」

「子どもは大人の背中を見て育つ」「子どもは親のコピーである」などと言われることがあります。
そんなことを言われると、自分の振る舞いにどきっとすることがあるのではないでしょうか? 

もちろん大人だって完璧ではありません。
ただ、教師も親も、そして子どもを取り巻く大人の振る舞いを、子どもは手本としています。
そして、子どもの手本となるべきシチュエーションは、数えきれないくらいあるのです。

今回は、その中でも特にポイントとなる点として、発達障害のある子どもたちへの関わり方についてお話しします。

何年も前に、ある先生のクラスでいじめが起きました。
Aさんに対して、周囲の子どもたちが馬鹿にしたような言動を取るという話でした。
保護者会も開かれました。

とても理解のある保護者たちだったので、帰宅したら自分の子どもに厳しく話をすると言ってくださった方が多かったのを記憶しています。

しかし、私の心には何とも言い難い思いが残っていました。
それは、担任がAさんに対して、注意することが多いのを知っていたからです。
「早く作文を書きなさい。いつまでやっているんですか?」こんな厳しい声を聞いたこともありました。

Aさんは、文章を書くことが苦手なタイプの子どもでした。
定型的な文章を示してやるとか、書きたくなるような材料を提示してやるといった支援が必要だったと思います。
それなのに一方的に叱る姿を見て、私はとても悲しくなりました。

この話をご紹介したのは、この担任を批判するためではありません。
熱心に指導していたし、いじめがわかると知ると保護者会まで開いたのですから。

ただ、担任の関わり方が、子どもに影響を与えていたことは否定できないと思うのです。
Aさんに対し支援をしたり、優しい言葉をかけたりしていたら、周りの子どもたちもそれに倣ったでしょう。

クラスには、個性豊かな子どもたちが存在します。
自分を主張するのが苦手な子どもがいる一方で、少し意地の悪い態度で強く主張するタイプの子どももいるのです。
子どもの中に唯一存在する大人である担任が、彼らの気持ちを上手くコントロールしていくことがいかに大切であるかを知っていてください。
そのために、教師は淡々とであっても、優しさや思いやりを丁寧に示していく必要があります。

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